生徒の皆さんへ
体調に変わりはありませんか。また、課題の学習は進んでいますか。
さて、皆さんは、自宅でテレビや新聞、インターネットなどで毎日のように報道されていることをどのように見ているでしょうか。新型コロナウイルスの感染拡大につれ、デマや誤った情報が社会に混乱を引き起こしているのは知っていますね。これまでも地震などの大きな災害で社会に不安が広がった際に、特定の民族や社会的に少数派の立場にある人々を対象にした悪質なデマが流布されたり、差別的な言動や行為があったりしたことは、そう遠くない過去にも発生しています。あるいは、感染症に対する誤った認識や無理解等が、差別や偏見となり人権を侵害することにつながることは、皆さんも人権教育等で学習してきたと思います。一方で、そのような事態の中にあっても、差別や偏見をなくそうと行動した人たちもたくさんいました。今回の新型コロナウイルスに関する事柄についても未だ不明な点が多く、終息時期の見通しがつかない中で、誰しも不安になることも多々あると思います。であるからこそ私たちは、「混乱のなかで人が容易に偏見にとらわれる」という歴史から学び、「誰しも間違える。だから真実を求めて学び続ける」姿勢をもつことが大切です。誤った情報に踊らされず、科学的な知見に立って物事を見極め、冷静かつ適確な行動に努めたいと思います。
新年度が始まり、臨時休業は３週間が経ち、外出も控えて、ストレスもたまったり、友人たちと会いたくなったりすることもあるでしょう。もう少し、社会全体にとって難しい状況が続くことになるかもしれません。長い休みのなかで、ネットやＳＮＳ等の利用も増えることでしょうが、情報モラルの観点からも、犯罪等に巻き込まれることのないよう、気をつけて過ごしてください。心配なことなどがあれば、すぐに学校に連絡してください。尚、下記に新型コロナウイルスに関する「偏見につながる不正確・不適切な情報」等の例を挙げています。
一日も早く、皆さんと平常な学校生活に戻れることを切に願っています。
新型コロナウイルスに関する「偏見につながる不正確・不適切な情報」等の例
１ 主としてネット上に流布しているもの
Ａ 根拠のない情報の投稿【流言・デマ】
・「コロナウイルスは熱に弱く、26～27度のお湯を飲むと殺菌効果がある」
・「ウイルスの予防に紅茶や緑茶が効果的」
Ｂ 特定の人や国・地域等を攻撃・排除する・結果としてそれらにつながる投稿【ヘイト】
①感染者、濃厚接触者、医療従事者等やその家族に関するもの
・「感染者を出した○○（店舗名）は責任を取って店を閉めろ」
・「○○（地域名）で感染者が出た。気をつけろ」・
・「感染者が入院した○○病院の医者や看護師も感染している。家族も濃厚接触者だ」
②特定の国や外国人、帰国者に関するもの
・「中国人は感染している。日本から追い出せ。国へ帰れ！」
・米国保守派議員などが「中国による生物兵器」との陰謀論を主張
・米大統領が新型コロナウイルスを「中国ウイルス」と表現
・「志村けんを殺害したのは中国人」「中国人を殺して罪を購わせろ」
Ｃ 拡散することで社会的に不安や混乱を招く投稿【チェーンメール・メッセージ】
※上記のＡのように、特にＳＮＳを舞台に、新型コロナウイルスに関して「予防対策情報」や「有名人・専門家からの情報」として不確かな情報や間違った情報が流布している。これらの情報は、人々の不安をあおり、社会の混乱を招く危険性が高く、たとえ「善意」からだとしても、真偽を確かめずに安易に他者に転送することは拡散に加担することになる。
２ その他、偏見や差別の助長につながる対応や排除・誹謗中傷の例
※感染者が出た事業所や施設、感染者の治療にあたっている医療機関の名前が公表された後、そこに勤務している人の子供が保育園等で登園を拒否された。
・「コロナ」の名を関する企業に対して、「このご時世に不謹慎だから廃業しろ」
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